アゲハ蝶の幼虫と自制心
山椒の木が丸裸になった。真夏だから夏枯れしたのかと思い、近寄ってみたら、丸々と肥え太った緑色の幼虫がいた。アゲハ蝶の幼虫だ。
アゲハ蝶は柑橘系や山椒の葉が大好きで、どこからともなく飛来した成虫が、卵を産み付ける。そして我が物顔で葉を食べ尽くしていく。
この幼虫の食欲と、葉の再生のバランスが崩れた状態を見て、「人間活動も似ている」と思った。例えば牟岐線に乗って車窓を眺めていると、ところどころに太陽光パネルが設置されている。私にはそれがまるで人間が自然を食べた跡にみえる。
問題は、山椒の葉はやがて再生するが、太陽光パネルは自然には還らないことだ。 人間の欲と自然とのバランスが崩れたとき、人間は自然界から手痛いしっぺ返しを受ける。
昨今増えている豪雨や洪水などの災害も、「自然界との調和を取り戻すように」という、自然界からの警句のような気がしてならない。 調和を考えて、「願わくば幼虫が早くサナギとなって羽化し、山椒の木から巣立ちますように」と祈った。そして人類に対しても「人間が開発活動に自制心を持てますように」と祈った。
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