ソーシャル・クレジット・システムの社会(新聞掲載)

フランスでは、飲食店でのワクチンパスポートの提示が義務化された。提示できなければ、映画館にも入れず、公共交通機関での長距離移動もできない。


そして、このワクチンパスポートは、ソーシャル・クレジット・システム(=信用スコア)の発想と親和性が高い。 信用スコアは中国ですでに実施されている制度だ。市民は個々の行動を監視カメラなどで細かく採点される。ポイ捨てなどの悪い行動は、顔認識を使用して把握される。税金滞納などでスコアが悪くなると電車のチケットも買えなくなる。


ワクチンパスポートを受け入れることは、個人情報の国家管理への転用を可能にする。そしていったん、中国のような信用スコアまで義務化されてしまえば、これを受け入れないでは生活ができなくなってしまう。それほど重大な制度なのだ。


 高度な管理社会には一定の権利制限が不可欠である、という流れが世界中で始まっている。一気に流れて行っていいものかどうか、立ち止まって考えてみよう。このフランスや中国の動きには、社会の安全安心、利便性、国民監視の範囲、選択の自由、弱者切り捨てなど、検証しておかねばならない多くの問いかけが隠れている。

※徳島新聞 読者の手紙掲載

栗本、敬浩。

徳島県阿南市でコピーライター&キャスターとして活動する栗本敬浩のサイト。

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