阿南光が照らす「野球のまち阿南」(新聞掲載)
夏の甲子園。初出場の阿南光高校は沖縄尚学高校に8対0の完封負けを喫した。阿南光が甲子園に出たことはとても意義深い。
まず阿南光は、縮む自治体の申し子のような存在という点だ。縮む一方だった新野高校と阿南工高校が2018年4月に統合して創立された。だが規模が大きいわけではない。野球部員数は今大会出場49校中最少の37人だ。
もう一点は、縮む自治体・阿南市が起死回生の政策「野球のまち阿南」を掲げ、JAアグリあなんスタジアムをプロ水準の設備で完成させ、運用した結果だという点だ。
3年前、阿南市の富岡西高校が春の甲子園に出場したことが、野球のまちの成果だったが、今回の阿南光の出場で、政策の妥当性が立証されたともいえる。 いまや新たな地方創生モデルとして注目を集める「野球のまち阿南」。「何も前例がない」なかで、担当者は「四国八十八ヶ所霊場巡り」で地元に根付く「おもてなしの精神」をもって各種イベントを企画してきた。
阿南市内の宿泊者数は2007年度に340人ほどだったが2018年度は約6,000人と20倍近くに<阿南市調べ>。経済効果も毎年1億円ほどと試算されている。
※徳島新聞 読者の手紙掲載
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