1次産業の高度化を考える。(私的論説)

過疎と高齢化に悩みながら、高齢者を活用した「つまものビジネス」で有名になった会社がある。上勝町内に在住する葉っぱをビジネス軌道に乗せた手腕で知られる。


 じつはこの会社、勝浦郡上勝町に本社を置くベンチャー企業。本業は「情報コンサルティング業」であり、市況把握や受発注をスマホでリアルタイムに行うITベンチャーなのだ。


ここでの成功ポイントは、

①商品価値のなかった葉っぱを料亭やホテルに販路拡大したことと、

②スマホでリアルタイムに指令を行うITベンチャー、

この両面の合体版が成功の秘訣であろう。


この分析から、阿南でも同様に1次産業である農業をITベンチャーで側面支援することで競争力をアップできるのではないか。


 ●農業法人による高度化

もうひとつは、遊休農地や耕作放棄地の再利用だ。後継者が少ない今、事業主体を法人企業に委託(譲渡)する方式で、農業の集約高度化を図る。


例えば、阿南市には農業生産法人J社がある。J社は約20haの農地で、キャベツ、白菜、ブロコリー、青梗菜、ネギ、れんこん、オクラ等を集約栽培している。農地は第三者継承という手法も用いながら確保しているようで、阿南における成功事例として注目したい。


阿南市新野町には田植えや稲刈りを機械化した法人組織があり、すでに労務の外注化は高齢農家には不可避となっているが、そこを超えての農業集約と、さらに法人ならではのマーケット分析と生産ベンチャーによる多品種挑戦は、生産法人ならではの経営革命である。


 ●勘と経験の農業から、企業体農業へ

これまで農業は代々継承した経験だけでやってきた世界である。それに対して、今、激変する環境を生き抜くべく、経営やマーケティングという会社感覚での農業へとシフトしてきた。 オール阿南市で、地域ごと生き残る活路は、企業体農業の振興を応援することである。そして、行政の関与による成功事例の水平展開や、場合によってはフランチャイジーなど、今後は成長が大いに期待できる分野である。


夢をもって、前へ進もう。

栗本、敬浩。

徳島県阿南市でコピーライター&キャスターとして活動する栗本敬浩のサイト。

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