仕分けの他にも財源はある

更新日が近いので、しげしげと運転免許証を見ていた。裏には献体の意思を示す記載があった。お世話になった地域社会に死後も臓器を役立ててもらえるのが献体だが、臓器だけでなく貴金属の献体もある。

貴金属は今、歯の治療や人工骨などに使われている。それを活かそうというのだ。先ごろ熊本市は市営の火葬場から出た残骨灰に含まれていた金や銀、プラチナなど有価物を売却。20年間に渡り採取したもので総重量は46・9キロ。時価総額は約1億4千万円だという。

自治体の残骨灰の処理は、各自治体に委ねられている。厚生労働省の調査では約7割が残骨灰の処理を業者に委託している。費用は岐阜市や北九州市などでは1円で業者委託に出しており、格安だが業者も貴金属転売で利益が出るのだろう。阿南市も同様の処理コストだと聞く。これは費用が安いのではなく、収益機会を逸しているともいえる。

阿南市は事業仕分けで有名で、多様な事業が縮小し、緊縮の度が過ぎて市内は猛烈に疲弊している。緊縮の痛みを民間に押し付けるだけでなく、いっそ残骨灰から貴金属を採取して転売してはどうか。率先垂範という言葉を実行してほしい。

栗本、敬浩。

徳島県阿南市でコピーライター&キャスターとして活動する栗本敬浩のサイト。

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