憲法についてオープンに語ろう(新聞掲載)
「日本も核武装すべきだ」、政治家からはそんな勇ましい声もちらほら聞こえてきます。自民党の改憲草案では、9条を改変し「自衛隊」の明記を掲げています。
今回の同草案では97条も改変対象になっています。97条では人権の尊重を規定していますが、同草案ではそれを削除するというのです。つまり、人権や国民主権のありがたさを放棄することにほかなりません。日本社会は戦後の平和と繁栄に慣れ切ったせいか、政治の話をすると「堅苦しいやつ」と疎まれる空気が広がっています。しかし、いまこそ憲法についてオープンに語らなければ、国民が望まない改憲をされてしまってからでは、手遅れなのです。
たとえば「緊急事態条項」が加憲されるとどういう政治が可能で、どういう不利益が生まれるのか。「徴兵制」が復活すると生活はどうなるのか。そもそも、改憲のためには「国民投票」が行われますが、このルールはどうなっているのか、はたして正確に国民の声は反映されるのでしょうか。
自民党では改憲に向けて着々と準備が進められているだけに、国民もオープンに憲法の意義を語り合うことが必要だと思います。5月3日は憲法を考えてみませんか。
徳島新聞に掲載
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